ヨーロッパの中心としてのベルギー
ベルギーはEUの中心に位置しています。EUの地理的な中心にあるだけでなく、首都ブリュッセルには欧州委員会、欧州議会、閣僚理事会などのEU機関が本部を設置しており、政治的な中心にもなっています。アントワープには欧州で二番目に大きな港があり、高速道路網も高度に整備されているなど、産業、商業の基盤は整っています。
加えて、多言語地域であることから、国際的な事業運営に必要な質の高い人材が揃っています。このため、欧州にビジネスを展開する際の司令塔や物流の拠点として魅力的で、これまでに数多くの外資系企業が進出しています。
基本情報 | |
---|---|
国名 | ベルギー王国 Kingdom of the Belgium |
面積 | 30,528平方キロメートル (日本の約12分の1) |
人口 | 1,149万人(2019年) |
名目GDP | 5,332億ドル(2018年) |
首都 | ブリュッセル |
言語 | オランダ語、フランス語、 ドイツ語 |
宗教 | 伝統的にはカトリックだが、 近年はムスリム移民が増加 |
政体 | 立憲君主制 |
元首 | フィリップ国王 (2013年7月21日即位) |
首相 | ソフィー・ウィルメス |
邦人 | 5,896人(2018年10月) |
優れたの地理条件
フランダースは、大経済圏「ブルーバナナ」の中心に位置しています。ロンドンやフランクフルト、パリなどの大都市がフランダースの半径 500km圏内を取り囲むように点在しており、 各国へは飛行機や鉄道、高速道路を利用して短時間でアクセス可能です。この理想的 な地理条件から、各地に自動車や化学、鉄鋼などのさまざまな企業が生産・物流拠点を構えており、この産業集積がフランダースの魅力をより一層、高めています。
発達した物流インフラ
欧州各地への輸送には、充実した物流インフラの利用が可能です。港湾は、欧州のゲートウェーとして豊富な貨物取扱量を誇るアントワープやゼーブルージュ、ゲント、オステンドの4港に加え、州内に11の内陸港があり、空路ではブリュッセル空港、オステンド空港を利用できる。州内を走る道路や鉄道、運河などの内陸輸送網は、オランダと並び高い密度を有することから、貨物輸送時の利便性も極めて高くなっています。
欧州の中心に位置する地理的条件に加え、高度に発達した輸送インフラが欧州全域への迅速な配送を可能にしています。
質の高い労働力
雇用面では教育水準が高く、異文化への対応も柔軟な人材を確保できます。特に言語能力の高さは極めて高く、オランダ語、ドイツ語、フランス語といった欧州の主要言語が交わる位置にあるフランダースでは、多くの住民が複数の言語を自在に操ります。
欧州域内で複数の言語圏をまたぐ事業環境にあっても、フランダースの人材を活用することで、スムーズな事業展開が可能となります。
出展:https://www.daily-cargo.com/new/attach/back_number/CA0808_43-special4-1.pdf

政治と外交方針
【日本との外交関係】
伝統的に友好関係を維持しています。日本国皇室・ベルギー王室関係は極めて親密です。昭和天皇が皇太子時代に1921年にベルギーをご訪問されて以来,日本の皇室とベルギー王室は世代を超えて非常に親しくされています。
2016は「日本・ベルギー友好150周年」として盛大に祝賀され,その日本側名誉総裁に天皇陛下が,ベルギー側名誉総裁にフィリップ国王陛下が各々御就任されました。同年10月には,フィリップ国王・王妃両陛下が国賓として訪日されました。
【外交基本方針】
欧州統合推進と北大西洋条約機構(NATO)を通じた安全保障の確保に重点をおいています。近年アジア新興国も重視しています。
国連PKOに参加している他,アフガニスタンの確固たる支援任務(RSM)やマリ等,積極的に兵力を派遣しました。
旧植民地であるコンゴ(民),ブルンジ,ルワンダへの経済協力を重視しています。
主要都市: ブリュッセル
【紹介】
ブリュッセルは、ベルギー最大の都市です。人口 約121万人(2018年)です。市街は美しく世界遺産にも登録され、「小パリ」とも呼ばれています。
【EUの首都】
ブリュッセルに欧州連合の施設が多く立地するのは、その前身である欧州原子力共同体の本部や欧州経済共同体の多くの施設がブリュッセルに置かれていたからです。
北大西洋条約機構 (NATO) の本部もブリュッセルにあります。
【経済】
ブリュッセルは、アントワープ市に次いで国内第2の産業中心地です。ブリュッセルでは特にハイテク産業を重視しています。
主要都市: アントワープ
アントワープの海港は内陸運河を通じて、ヨーロッパの内水路網に連絡しています。内陸水路、道路、鉄道ともに、港湾 からの輸送アクセスに優れているところがアントワープ港の特色といえます。
ベルギー第2の都市・アントワープ(フランダース州)は、17世紀の代表的画家ルーベンスを生み出したバロック芸術の都です。大聖堂や教会などの建造物や古い街並みが残された歴史ある港町です。アントワープ港はスヘルデ川河口に位置しています。
アントワープ港は、ヨーロッパ有数の主要港です。EU(欧州連合)の主要都 市とを結ぶネットワークに優れ、物流拠点としての役割を担っています。
石油化学製品の生産地でもあります。港内には、バイエル、モンサント、日本触媒などの多国籍化学企業が製造拠点を設置しています。オペル社も工場を構えており、年間30万台の自動車を生産しています。
外資規制
項目 | 内容 |
---|---|
制限業種 | 次の職種では、内資・外資にかかわらず、地方政府の各分野の監督機関による事前許可が必要です。 ・アルコール製造、販売業次の職種では、内資・外資にかかわらず、地方政府の各分野の監督機関による事前許可が必要です。 ・アルコール製造、販売業 ・一部の医療業務 ・タバコ製造、販売業 ・不動産業 ・輸送業 ・石油製品業 ・医薬品業 ・食品製造、加工、販売業 ・ホテル業 ・旅行業 ・貴金属加工 等 |
出資比率 | 規制はありません。 |
外国企業の土地所有 | 規制はありません。 |
資本金に 関する規制 | 最低資本金 株式会社(SA) 61,500ユーロ 有限会社(SPRL) 18,550ユーロ |
【奨励業種・投資優遇】
制度 | ブリュッセル首都圏 | フランダース | ワロン |
---|---|---|---|
優先セクター | ・生命科学 ・情報通信技術 ・国際機関 (産業団体、 NGO等も含む) |
・農産食品 ・運輸、ロジスティクス ・生命科学 ・エネルギー ・情報通信技術 ・自動車 ・自転車 ・化学 ・マイクロ、ナノエレクトロニクス ・繊維 |
・農産物加工品 ・航空宇宙 ・エンジニアリング、新素材 ・運輸・ロジスティクス ・生命科学 ・環境技術 |
投資補助金 | ブリュッセル市内での新事業への投資に対して年間35万ユーロを上限に最大15%を補助するスキームがあります。 | 申請者が自ら行R&D活動が対象WBSO申請は、R&D活動の事前に行う必要があります。 | 産業セクターや、雇用創出、資本金額、立地に応じて企業を対象とした補助金があります。 |
M&A動向
買収詳細 | ||||
---|---|---|---|---|
ヘッドライン | ||||
発表日 | ターゲット | 買い手 | 取得価格 (百万円) |
形態 |
国内製薬首位の武田薬品工業【4502】は、重篤な疾患に対して幹細胞を用いた新たな治療薬の開発を行う先進的なバイオ医薬品企業であるTiGenix NVを買収すると発表しました。 取得価格は、日本円にして約700億円です。 |
||||
Takeda Pharmaceutical delists TiGenix from Euronext Brussels | ||||
2018/4/27 | TiGenix NV | 武田薬品工業 | 67,241 | 買収 |
アステラス製薬<4503>は、ベルギーのOgeda社を買収・完全子会社化しました。 Ogeda社は、現在進行中の臨床開発プログラム「fezolinetant」において、更年期に伴う血管運動神経症状を持つ患者を対象とした開発に注力しています。 本件により、アステラス製薬は、臨床開発段階のパイプラインを拡充し、成長基盤の強化を図りました。 |
||||
Astellas acquires Ogeda | ||||
2017/4/3 | Ogeda SA/NV | アステラス製薬 | 99,968 | 買収 |
三井化学アグロ株式会社は、ベルギー王国の農薬会社 Belchim Crop Protection NV.の株式 10%を取得しました。 事業拡大に向けた重要な戦略課題として海外農薬事業の拡大に取組んでおり、各地域における基盤整備を進めています。欧州地区においては、2012 年に Mitsui Chemicals Europe GmbH(ドイツ デュッセル ドルフ)に駐在を置いていますが、同地区での一層の事業強化を目的として、強固な販売ネットワークと開発販売力を有する Belchim 社と事業提携の協議を行なってまいりました。 |
||||
Mitsui Chemicals acquires Belchim Crop Protection stake | ||||
2017/2/12 | Belchim Crop Protection NV | Mitsui Chemicals Agro, Inc. | 少数持分取得 | |
パナソニックは2017年7月、物流および人物認証、モビリティソリューション大手のベルギーZetes Industries(Zetes)の発行済株式を100%取得し、非上場化を完了しました。 パナソニックが注力するB2Bソリューション分野の1つ「物流」において大きな意味を持つものとしており、倉庫などの省人化や省力化に向けた物量ソリューションの強化を図りました。さらに、公共分野でのID発行などの人物認証ソリューションとともに、パナソニックのグローバル規模での成長に貢献するとしています。 |
||||
Panasonic’s acquisition of Zetes stake complete | ||||
2016/12/22 | Zetes Industries SA/NV | パナソニック | 11,880 | 買収 |
ソニーは、イメージセンサーを用いて対象物までの距離を測るTime of Flight(ToF)方式の距離画像センサー技術と、関連システム/ソフトウェアを持つベルギーのSoftkinetic Systems(ソフトキネティックシステムズ)を買収したと発表しました。これによりソフトキネティックシステムズはソニーの完全子会社となります。 | ||||
Sony acquires Softkinetic Systems | ||||
2015/10/8 | Softkinetic Systems SA | ソニー | 買収 | |
事業会社のAR Metallizing N.V.およびそのグループ会社(ARMグループ)は日本写真印刷の完全子会社となりました。 AR Metallizingは、ベルギーに本社を置く業界トップの蒸着紙メーカー。ベルギーのほかイタリアやアメリカに生産拠点を有し、世界80カ国、約300社の印刷会社やコンバーターに製品を提供しています。 |
||||
Nissha Printing acquires AR Metallizing from HIG Europe | ||||
2015/9/8 | AR Metallizing NV | Nissha Printing Co., Ltd | 買収 | |
住友商事株式会社と欧州住友商事会社(本社:ロンドン)(両社あわせ以下「住友商事」)は、ベルギーコルホイトグループ傘下のパークウィンド社(Parkwind、本社:ベルギー)から、ベルギー沖洋上風力発電事業のベルウィンド(以下「Belwind」)およびノースウィンド(以下「Northwind」)の株式を、2014年9月30日付で取得しました。 | ||||
Sumitomo acquires Belwind and Northwind from Parkwind | ||||
2014/10/1 | Belwind NV | 住友商事 | 少数持分取得 |